自動車の営業マンにとっての中古車の査定
むかし自動車販売店の仕事をしていた頃、中古車の査定は重要な仕事だった。考えてみれば分かるが、自分が売った車ですら登録した瞬間に中古車になる。
つまり自社競合まで含めたライバルのターゲットになってしまうのだから厳しい職場だ。ましてこれが系列外どころか他社の車になれば、今度は自分にとっての特上のターゲットになる。この辺の構造は生命保険会社の職域訪問に良く似ていた。生保レディにとっての職域カードにお客様情報を記入してもらうことが、自動車ディーラーにとっての中古車の査定ということになる。もっとも査定といってもプロの査定資格を持っているわけではないから内容は雑になる。もっとも簡単な査定方法はお客様に断って車検証を見せてもらうことだ。
車の営業では実はこれが最も大事なことで、車検証のデータを登録した時点で初めてその中古車に対する権利が生じる。つまり他の営業マンの登録が無い限り、競合なくその車の買い替え商談を進められるのである。