ギリシャの石材
ギリシャは大理石の半島と呼ばれるほど石灰岩と大理石があり、紀元前9世紀頃から初期鉄器時代が始まると、加工技術の進歩も手伝って、4m以上もある長さの石材が切りだされ、鉄や青銅を契やダボとして石板の間には鉄で石と石とを接合し梁材として利用した。鉄が石の欠点を補ったことが柱の上部に横架材をのせるまぐさ式構造の巨大な神殿建築を可能にした。
ギリシャのアテネにあるパルテノン神殿は大理石という石材の組石造であるが、屋根は木造の小屋組に石瓦が乗せられ、大理石の女神の立像が中央に据えられていた。神殿はシンメトリーな構成で開口部は奇数にして中央から出入りするのでディグニティを示す形式である。
ギリシャの建築洋式は、柱頭のデザインが初期のドーリア式からイオニア式へ、さらにコリント式へと次第に複雑化した様式に移行するが、柱長は直径の5〜6倍で、中程の膨らんだエンタシスである。また、ペディメントのデザインには色彩が施されていたと言われる。