居酒屋といえばホッケの思い出

居酒屋短大に入学して間もなく、先輩に誘われて人生初、居酒屋に行きました。駅前にあるチェーン店で、安さと種類の多さで若者たちに大人気でした。これまで、ファミレスや食堂などしか行った事がなかったので、なんという賑わいと活気、これが居酒屋というものかと衝撃をうけました。やっと席についたら、メニューを見て また驚きでした。だって、ファミレスでは見た事がない品ばかりだったからです。

ついこの間まで高校生だった私は、「たこわさ」やら「梅きゅう」など食べた事がなかったので、いったい何を注文したら良いのか、何が美味しいのかわからなかったのです。先輩が「このホッケ、とっても美味しいから、頼もう!」と言いました。ホッケ?魚?言われるがままにお任せして、待つことしばし・・・。テーブルに運ばれたのは大きな魚の開きでした。なんと、ホッケを食べたのも生まれて初めてでした。熱々のホクホクを食べて こんなに美味しい物があったのかと感動したのを覚えています。それ以来、その居酒屋に行くと必ず注文するほど好物になりました。居酒屋という大人の世界を知り、見る物、食べる物全てが新鮮で、大袈裟でなく輝いて見えたのでした。あの頃から20年以上も経ちましたが、今も居酒屋に行けば、あの熱々の大きなホッケを思い出します。

Comments are closed.