バスで出会った小学生

bus10とある雨の日にバスで出会った男の子の話です。
私のよく乗る路線は近くに病院や老人ホームがあるので、よくご高齢の方が乗ってきます。その日も病院近くのバス停でおじいさんとおばあさんが乗ってきたのですが、あいにくその日は雨で乗客が多くおじいさんたちは座ることができませんでした。他の乗客は誰もおじいさん達に気付いていないのか席を譲ろうとはせず、私も立っていたのでただ可哀想だなぁ…と思うことしか出来ませんでした。
そんな時いつも座って本を読んでいる小学生の男の子がスッと立ち上がり、おじいさん達に席を譲ってあげました。このバスの中でおそらく最も若い、むしろ若いというよりも幼いと言ってしまった方が合っているくらい小さい男のだけがおじいさん達に気付いて席を譲ったのです。
私はそれを見てなんとも自分が恥ずかしくなりました。もちろん自分は席に座っていなかったのだから譲れはしません。

でも、もし自分が座っていたら彼のように譲ることができたのだろうかと思うと心の中にモヤモヤが残りました。
本当ならば大人が率先してこういうことをやって子ども達の模範になるべきだと思います。しかし、いつの間にか自分が子ども達に教えられる立場になっていることに気付き、その日一日情けないような気持ちで過ごすことになりました。

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