社会保険労務士のこれからの役割
社会保険労務士の資格取得を考えている人や現に勉強中の人にとって、「社労士資格は食える資格なのだろうか?」ということは切実な問題だと思います。それについてはいろんな方が論じていることですが、「開業して高収入を獲得するのはかなり難しい」というのが概ね共通する意見だと思います。
社会保険労務士の仕事を、企業の顧問になって社会保険関連書類の作成・提出の代行や給与計算を受託する、といった旧来のイメージで考えたとき、私もやはり、(よほど強いコネクションや営業力がない限り)新規開業で開拓できる余地は少ないのだろうと考えます。
ですが一方、社会保険労務士の持つ専門性を発揮できる場所が世の中にないのかと言えば、そんなことは全然ありません。むしろその役割は増えているといっていいと思います。高収入を目指すという指向ではなく社会的に有意義な仕事をしたい、というモチベーションがあるなら、以下のような仕事が考えられます。
たとえば、いわゆる「働き方改革」関連法が成立して、時間外労働の上限規制や有給休暇の取得義務付けが始まります。一般の人はちんぷんかんぷんです。次に、ブラック企業が多数存在する現状において、高校生・大学生に対する労働法教育の必要性も強く求められています。さらに、外国人労働者が増えていく中で、彼らに日本の健康保険、年金制度を説明できる人も不足しています。
上に挙げた全てにおいて、アドバイザー役として社会保険労務士がうってつけなのです。求められらる存在です。視野を大きく広げて社会保険労務士資格の役割を考えたうえで、目指すかどうか検討してみたらいかがでしょうか?